一般に病的な状態から生じた判断の誤りで、訂正不能な誤った観念・確信
と定義される。その内容がまったく了解不可能な一次妄想と、ある程度了解
可能な二次妄想に分けられる。精神分裂病、躁うつ病やてんかん、薬物中
毒等でも生じることがある。妄想には被害妄想、関係妄想、嫉妬妄想、貧困
妄想等がある。妄想症をパラノイアという。
「一次妄想 ・・・ 妄想気分、一次妄想の一つで、理由もなく周囲が不気味
に感じ、何か大変なことが起こりそうな感情に襲われること」
「一次妄想 ・・・ 妄想知覚、一次妄想の一つで、感情的、論理的理由を全
く欠いた不自然で異様な意味づけが知覚になされることをいう」
「二次妄想 ・・・ 発生した妄想が、患者の情動や体験の反応として生じた
ものと、心理的に理解可能なものをいう」
妄想症を示す病気として、妄想性人格障害、妄想性障害、妄想型分裂病がある。
軽度な妄想症の者の生活は一見全く普通に見えるが、
重度な妄想症になると社会生活にも破綻をきたすことがある。
多くの精神障害で妄想症がみられ、他の病気との判別が困難となりやすい」