腎臓の尿生成機能の障害によって1日の尿量が300~500ml以下に減少
した場合を乏尿という。通常、健常者の尿量は500 ~ 2,000mlである。こ
の場合腎の濃縮力を最大にしても1日に必要な溶質の排泄が不可能とな
る。当然ながら老人のごとく濃縮力低下があるときにはこの尿量では不十
分で、さらに多くの尿量を要する。さらに尿量が減少して、ついに腎臓から
の尿分泌が完全に止まった状態を無尿といい、普通1日50~100ml以下の
場合であるが乏尿の際とは異なり背景の病態像はより重篤となる。実際
には急性腎不全の無尿期であることが多い。乏尿になる原因としては、腎
炎など腎機能が低下することにより、尿の生成が減少するために尿量が
減少、下痢、浮腫(むくみ)、発汗、腹(胸)水など血液中の水分量が減少、
心不全などの心臓の機能が低下すると、腎臓への血流が低下し、腎臓で
の尿の生成が減少する。などがである。