ピック病は老年痴呆、アルツハイマー型によく似た珍しい病気で、病気の
発生率は約100,000人に1人で、男性よりも女性の方に多く見られる初老
期痴呆の一つ。初老期(歴年齢上の定義は45歳~65歳)に発病し、痴呆、
道徳感情の喪失、行動の逸脱等の人格変化、異常な言動等を主症状と
し、比較的速やかに経過する器質性の脳疾患。脳の萎縮がみられる。侵
された部分のニューロン(神経細胞)には、異常な物質(ピック小体)がみ
られる。老人班や細胞内線維はみられなく正確な原因は不明。ピック病
は、優性遺伝疾患であるとみられている。ピック病は認知症を伴わない
緩徐進行性失語症や純粋健忘症のかたちで発症することがある。