脳死には、大脳と脳幹がともに不可逆的な機能喪失に陥った全脳死、脳幹
だけが死んだ脳幹死が含まれ、大脳は死んで脳幹だけが生きている植物
状態とは区別される。脳機能の回復不可能な喪失が、心臓死(心臓の停止
による死亡)に先立って生じた状態をいう。厚生省研究班による脳死判定
基準は、深昏睡、自発呼吸停止、瞳孔散大、脳幹反射消失、平坦脳波の各
条件が満たされた後、6時間(小児および二次性脳障害者では6時間以上)
たっても変化のない場合となっている。平成9年に臓器の移植に関する法律
が成立、施行され、移植の場合に限り脳死基準による死の判定が行われる
ようになった。