ゴム手袋にグリセリン、ワセリンなどの潤滑剤をつけ、肛門や直腸を傷つ
けないように気をつけて便を取り出す。腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)
が弱い、運動不足、偏食や薬の副作用などで便秘となり、自力での排便
が困難な場合、直腸内に手指を入れて、硬い便を摘出することをいう。
また、医療機関においては看護師が患者に対して行うが、自分で行う場
合もある。脊髄損傷などで下半身の自由を失うと、腹筋や肛門括約筋を
コントロールできなくなるため自ら摘便する技術が必要となる。こうした場
合、体温で溶けると発泡してガスに変わる座薬を補助的に使用すること
もある。直腸の出来るだけ奥に座薬を挿入し、10分から20分程待ち、完
全にガス化して直腸が押し広げられてから摘便を行う。