社会的不利とは、機能障害や能力低下(能力障害)の結果として、個人に
生じる社会的な不利益のことである、例えば、障害を理由に就職や就学を
拒否されたりする場合や、障害のある人にも利用できるような環境が整って
いないために、特定の場所に入ることができなかったりする場合、その人は、
機能障害、能力障害などに起因した社会的不利を被っていることになる。た
だし、機能障害や能力障害とは区別され、環境や制度が整えば、機能障害、
能力障害が重い人でも、社会的不利を軽減することは可能である。WHOは
国際障害分類(1980年)において、障害の3つのレベル(機能障害→能力障
害→社会的不利)の概念を提起したが、これによれば、社会的不利とは、機
能障害や能力障害の結果として、その個人に生じた不利益であって、その
個人にとって(年齢、性別、社会文化的因子からみて)正常な役割を果たす
ことが制限されたり妨げられたりすることであるとされた。