細菌感染症は、長い間人類を悩ませてきた。代表的なものとして結核、
コレラ、腸チフス、赤痢などがある。19世紀から20世紀にかけての医学
的な進歩は、細菌性感染症の源になっている、各種の細菌の発見、そ
して、それらの細菌に対する抗生物質の発見によって、細菌性感染症
による被害の、顕著な減少をもたらした。たとえば、結核は、長い間死亡
原因の第1位を占めていたが、抗生物質などにより激減した。しかし最近
は再び増加の危険性が指摘されており、平成11年には結核緊急事態宣
言が出された。また日本では、感染予防法で、感染力や疾病の重篤性な
どから総合的に判断して、法律の対象とする感染症を1類から4類にわけ、
それぞれの類型に応じて必要な対応・措置を定めている。