脊髄は神経系の下位中枢機能と伝導路機能をもつため、損傷部以下の
弛弾性麻痺、全知覚脱失、膀胱直腸障害等を来す。合併症の予防なら
びに社会復帰と自立を目指したリハビリテーション等の機能訓練が重要で
ある。交通事故などの外傷により脊椎の骨折、脱臼に伴い生じる脊髄の
障害で、重篤な機能障害を示す。損傷の度合いにより、完全型と不完全
型に分かれる。完全型は脊髄が横断的に離断し、神経伝達機能が完全
に絶たれた状態であり、不完全型の場合は脊髄の一部が損傷、圧迫な
どを受け、一部機能が残存するものを指す。また、完全型の場合、損傷部
位以下は上位中枢からの支配を失い、脳からの運動命令は届かず運動
機能が失われる。