日本介後福祉士会は、職業集団としての明文化された倫理綱領をもって
いる。法律に述べられている信用失墜行為の禁止や秘密保持義務はむ
ろんのこと、利用者の人権を尊重し、無害、正義、善行の原則にもとづいて
自らの行為を律していく必要がある。ある職業に就いている個人あるいは
集団が職能としての債務を果たすために、自らの行為を律する基準であり、
規範である。法律家、医師、看護師、介護福祉士などは、職能集団として
職業倫理を述べた文書をもっている。また、ホームヘルパーとしての専門
的倫理として、ホームヘルパーの専門性とは介護の知識と技術にあり、そ
れを根底から支えるのがホームヘルパーの倫理である。専門性は、科学
性にもとづくさまさまな要素が相互に複雑につながり、成り立っている。時
間の流れ、若さや老い、体温と脈拍、心と体といった個々の違いを確認する
ことが科学性である。自分の仕事をつねに反省、分析し、新しい知識や技
術を習得することは、ホームヘルパーの使命といえる。