傷害や拘束による身体的加害、脅迫や言葉の暴力による心理的加害、
搾取や横領といった経済的加害などの積極的・直接的な人権侵害だけ
ではなく、無視や保護の放棄といった消極的な行為による人権侵害も虐
待行為に含まれる。近年、家族やサービス提供における虐待の事態が明
らかになってきており、その防止は大きな課題である。高齢者に対して、
家族を含む他者から行われる人権侵害の行為をいう。
「身体的加害 ・・・ 殴る、蹴る、つねるなどで、裂傷や打撲などの跡を残
すことがある。本人の意に反し手足を縛る身体的拘束もある」
「心理的加害 ・・・ 脅迫や侮辱などの言葉による暴力、恫喝、侮蔑」
「経済的加害 ・・・ 年金・預貯金・財産を横取りされたり、不正に使用さ
れたり、売却されること」
「無視や保護の放棄 ・・・ 介護や世話の放棄、生活に必要な介護の拒
否、意図的な怠慢、必要な医療や食事、衣類や暖房の提供をしない、病
気の放置など、生活上の不合理な制限、戸外への締め出し」