公的扶助制度は、資産や収入が最低生活水準に満たない場合に、その
水準までの不足分を必要に応じて補うものであり、対象者の生活困窮に
陥った原因を問わず、最低生活水準を下回るという現状だけに着目して
無差別平等に必要に応じた給付を行うものである。国家扶助、国民扶助、
社会扶助と表現されることもある。わが国の公的扶助の柱は、生活保護
制度である。保険料等の負担を要件とせず、国または地方公共団体が、
すべて公費により、現実に生活困窮の状態にある者に対し、その者の資
力と所得を調査したうえで、その必要に応じて行う公的救済をいう。