甲状腺から分泌されるホルモンで、全身の細胞における酸化作用(ブドウ糖
などを燃やしてエネルギーを得る)を促進する。下垂体からの甲状腺刺激ホ
ルモンにより分泌が調整される。
「甲状腺ホルモン ・・・ 甲状腺の甲状腺濾胞の壁をつくっている濾胞上皮
細胞で合成・分泌される。甲状腺ホルモンの分泌様式は、細胞外にホルモン
の前駆体を貯留するという点で非常に独特で、甲状腺ホルモンの分泌量は、
いくつものホルモンによって調節されている。代表的なのは、下垂体前葉か
ら分泌される甲状腺刺激ホルモンである。甲状腺刺激ホルモンは、甲状腺
濾胞内に蓄積されたサイログロブリンが濾胞上皮細胞内へ再吸収されるのを
促進する。サイログロブリンは、細胞内のリソソームで消化を受け、甲状腺ホ
ルモンが遊離し、濾胞の外側に放出され、これが毛細血管より血中に入り全
身に還流する。濾胞上皮細胞内で遊離した甲状腺ホルモンは、そのあと細胞
内で蓄積されないため、甲状腺刺激ホルモンの刺激により、血中への分泌量
が増加する」