今回は「栄養所要量」について説明します!
栄養所要量ってなに??意味や特徴を整理!
「栄養所要量」とは、健康人を対象として国民の健康の保持・増進、生活習慣病の予防のために標準となるエネルギーおよび各栄養素の摂取量を示したものをいいます。
内容としては、性別や年齢階層別、生活活動強度別に摂取量が分類され、食生活の変遷(へんせん)や健康と疾病に関する新しい概念や研究成果等を考慮して一定期間ごとに改定されます。
一定期間ごとに目安となる基準が改訂するのは栄養所要量の大きな特徴なので、覚えておきましょう。
また、栄養所要量は健康増進施策や栄養改善施策等の基本となるものであり、栄養指導や給食計画などの基準として幅広く利用されています。
具体的な改定内容はどんなところ?過去の改訂内容についてまとめてみた!
栄養所要量は、先述したように、食生活の変遷や健康と疾病に関する新しい概念や研究成果等を考慮して一定期間ごとに改定されます。
そこで気になるのが、「じゃあ実際に改訂されるところはどんなところなの?」「過去に改訂された点について知りたい」というような点だと思います。
この点に関して、「独立行政法人農畜産業振興機構」さんのホームページが参考になったので、それを引用しつつ、過去の改訂内容について紹介していきます。
実際のホームページはこちらになります。
第6次改定日本人の栄養所要量の主な変更点
1)新たな設定数値の導入
栄養欠乏症を予防する観点から、特定の年齢層や性別集団の必要量を測定し、その集団における50%の人が必要量を満たすと推定される1日の摂取量を「平均必要量」とした。「栄養所要量」は、特定の年齢層や性別集団のほとんどの人(97~98%)が1日の必要量を満たすのに十分な摂取量であり、原則として「平均必要量+標準偏差の2倍(2SD)」で表される。また、平均必要量を算定するのに十分な科学的知見が得られない場合は、特定の集団においてある一定の栄養状態を維持するのに十分な量を所要量として用いることとした。
一方、エネルギーや脂肪等過剰摂取と関連の深い生活習慣病の増加、栄養補助食品の利用など国民の食生活が多様化している現状にあっては、過剰摂取による健康障害を予防する観点からの検討も必要となってきた。今回の策定では、特定の集団においてほとんどすべての人に健康上悪影響を及ぼす危険のない栄養素摂取量の最大限の量を「許容上限摂取量」とした。これらの数値を総称して「食事摂取基準」とした。2)策定栄養素の種類の拡大
ビタミン、ミネラルについては、国際的により多くの項目の策定がなされている現状や、最新の科学的知見を踏まえ、新たな項目を追加した。-策定項目-
エネルギー、食物繊維、脂質、たんぱく質
(ビタミン)
ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸、ビタミンB12、ビオチン、パントテン酸、ビタミンC
(無機質)
カルシウム、鉄、ナトリウム、カリウム、リン、マグネシウム、銅、ヨウ素、マンガン、セレン、亜鉛、クロム、モリブデン色文字は新規項目。
ホームページでは第6次改訂の際に変更された点についてまとめられています。
これを見ると、策定栄養素の種類の拡大としてビタミンKや葉酸をはじめ、銅やヨウ素、亜鉛など13種の栄養素が策定項目に追加されていることがわかります。
ビタミンKや葉酸、亜鉛などはサプリメントのCMなどでもたびたび目にしますし、比較的馴染み深い栄養素だと思いますが、第6次改訂まで栄養所要量における策定項目には選ばれていなかったんですね。
また、「許容上限摂取量」という新たな摂取の基準量が定められたことも見て取れます。
ここでは「許容上限摂取量」についての詳細な説明は控えますが、栄養所要量の改定の際に新たな基準が設定されることがあるというのは注目ですね。
おわりに
今回は「栄養所要量」について説明しました。
栄養所要量は改訂されるということが大きな特徴で、この栄養所要量はさまざまな分野(栄養指導や給食計画など)から目安として利用されているため、栄養所要量が改訂されるというのは影響範囲がとても大きいことだとおさえておきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします!