アルコール幻覚症、コルサコフ精神病、振戦せん妄、アルコール性痴呆、
嫉妬妄想(しっともうそう)などがあり、アルコール依存症を基盤として、急
性もしくは慢性の特異な精神症状が現れる。原因は飲酒に伴う代謝障害
のために中間代謝産物が中枢神経系(ちゅうすうしんけいけい)に作用す
るためと考えられています。
「アルコール幻覚症 ・・・ 禁断症状のひとつで、大量飲酒の中断後48時
間内に起こる幻聴です。その内容は強迫、被害の内容をもちます。幻聴の
内容に基づいて逃避行動や攻撃的行動に出る」
「振戦せん妄 ・・・ 最も多いアルコール精神病。長期の大量飲酒中断ま
たは減量後、一週間以内(特に48~72時間)に出現する。不眠、不安など
の前駆症状に続いて、手足や頭舌などの全身に振戦や自律神経症状(頻
脈、発汗)とともにせん妄状態となる」
「嫉妬妄想 ・・・ 主に男性に見られる。抑制がとれることにより性的欲求
が解放されるが、インポとなりまた、酩酊による暴行から相手に嫌がれるこ
とで嫉妬妄想へと発展していく」
「コルサコフ精神病 ・・・ 物忘れがひどくなる、場所や時間、人物などがわ
からなくなる、忘れてしまった過去をその場限りのうそでごまかすなどの症
状が出現してきます」