従来の精神分析的手法に対して、外部から対象者を観察できる行動を
客観的に研究するという心理学の研究方法であり、現代心理学の主流
の一つでもある。ある生活体もしくは集団の不適応状態(問題となる特定
の行動)に対して、その具体的行動の側面を重視し、すでに実証されてい
る行動理論にもとづいて、その行動を持続させている条件を見つけ出し、
組織的にコントロールしながら対象の行動を望ましい方向へ改善する諸
技法の総称。また、行動療法は、心理療法のひとつで、学習理論(行動
理論)を基礎とする行動変容法・理論の総称。心理療法がターゲットとす
るべきなのはあくまでも客観的に測定可能である行動であり、心理療法
が目標とすべきなのは、問題とされる行動を減らしたり、逆に望ましいとさ
れる行動を増やしたりさせることであるとし、精神分析のような原因分析
的な心理療法とは一線を画する。 他の治療に比べ、時間がかからず、
指導者に対する費用も少なくすむ反面、患者自身の個人的経験や葛藤
を考慮していないため、特定症状を除去したところで、代わりに別の症状
が出てくるだけだという批判もある。