今回は「機能障害」について説明します!
機能障害って?
機能障害とは、心理的、生理的または解剖学的な構造もしくは機能の何らかの喪失、異常な状態を意味します。
心理的な側面や生理的な側面だけでなく、解剖学的な側面も機能障害に考慮されているんですね。
このことから、機能障害は適用される範囲の広い言葉だということがわかります。
具体的な症状・状態として、以下にその一例をご紹介します。
- 肢体不自由
- 聴覚障害・視覚知的障害などの障害
- 思考、情緒、記憶、感情や気分の障害
- てんかんなどの意識の障害
- 内臓や皮膚の障害
非常に広いジャンルが該当していますね。
また、このような能力障害が起因となって、新たに能力障害を引き起こしたり、社会的不利が発生したりする場合があります。
なお、この機能障害、能力障害、社会的不利は世界保健機関(WHO)が国際障害分類として発表したものの内容になります。
国際障害分類ってなに?
国際障害分類とは、1980年に世界保健機関(WHO)が国際疾病分類の補助分類として発表したものです。
1980年なので、かなり前に発表されていたのですね。
これは障害を3つのレベルに分け、機能障害、能力障害、社会的不利と分類しました。
そしてWHOによって発表された後、世界各国でこの障害分類が利用されていったようです。
しかし、多くの地域で使われるにつれてさまざまな問題点も指摘され、改めて検討が行われました。(問題点としては、それぞれの線引き・判断が難しいなど)
その結果、国際障害分類をさらに深掘りし、2001年に国際生活機能分類(ICF)として新たにWHO総会で決定されました。
国際生活機能分類(ICF)が発表されたことによって指摘されていた問題が全て解決したわけではないですが、今現在も指標として活躍されているので、興味のある方はお調べになると良いでしょう。
参考までに、以下URLと一部引用を載せておきます。
健康状態、心身機能、障害の状態を相互影響関係および独立項目として分類し、当事者の視点による生活の包括的・中立的記述をねらいにする医療基準
介護や福祉、医療分野での「機能障害」は?
現在、介護や福祉、医療分野でもこの機能障害という言葉や概念は使われることがあります。
というのも、先述したように機能障害は非常に適用範囲の広い言葉になります。
特に、肢体不自由や聴覚障害・視覚知的障害などはもろに介護や福祉、医療分野に該当しますよね。
そのようなことを踏まえると、今現在にとどまらず、今後も使われ続けていくと思います。
個人的には、「機能障害」という言葉が全体的なイメージや意味合いを伝える際に使いやすい点も大きく影響するのではないかと考えています。
おわりに
今回は「機能障害」について説明しました。
「機能障害」はWHOが大きく関わっていることや、適用範囲が広いことが特徴といえると思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします!