今回は「SLTA」について説明します!
SLTAとは?
SLTAとは、「標準失語症検査」を意味します。
「Standard Language Test of Aphasia」のそれぞれの単語の頭文字をとって表記しているようです。
(「of」の「o」については触れないでください笑)
「失語症」って?
SLTAの説明の前に、まず「失語症」について軽く説明しておきます。
失語症とは、主に大脳の言語野が損傷されることによって生じる言語機能の障害のことです。
この失語症によって発生する言語機能の障害とは、以前は問題なくコミュニケーションしていたにもかかわらず、言語を話すことができなくなるといった障害です。
また、言語を話すことのみならず、他の人の話を聞き取ることや文字を書くこと、文字を読むことができなくなることも含まれます。
この失語症は大脳の言語野の損傷は脳梗塞などが原因で生じることもあるので、どの年代の方でも失語症になる可能性はあります。
そして、失語症は症状が人によって差異が大きいことも特徴です。
そのため「超皮質性運動失語」や「感覚性失語」など、失語症の中で細分化されたカテゴリーが存在しています。
ですので、実際に失語症の症状が疑われる場合には、細分化されたカテゴリーのどのカテゴリーに属するのかを判定できるとその後の対応のヒントになることもあります。
失語症についての詳しい情報はこちらをご覧ください。
それで、SLTAって?
そして、そんな失語症の症状があるか、またはどんな言語能力の障害が生じているかを検査するのが「SLTA(標準失語症検査)」です。
実際の検査内容は、こちらの記事が参考になります。
一部引用したものが以下の文章になります。
検査内容は、病院を受診する、自動販売機で切符を買う、電話を用いて出前の注文をする、聞いた時刻に時計を合わせる、ラジオの天気予報を聞くなどの日常コミュニケーション場面を想定した課題
から成り立っています
このように何か特別な施設で実施したり、特別な用具を使用するわけではなく、「日常生活の中でどのように対応しているのか、どのような反応をするのか」という点にフォーカスされていることを感じます。
個人的ですが、このような実践的な検査方法は好感が持てます。
(これで判定できるのかなぁ・・と不安な検査・審査もありますからね・・・)
SLTAのデメリット
非常に実践的な検査であるSLTAですが、その反面デメリットもあります。
まずSLTAのデメリットとして挙げられるのが、検査に時間がかかることです。
先述したように、SLTAの検査方法は日常生活にマッチするものが多いですが、それを一人ひとり検査するとなると、一回当たりの検査時間が長くなってしまいます。
そのため、SLTAの検査を受ける際には時間に余裕をもって臨むほうがよさそうですね。
また、重度の障害をもっている方にとっては提示される課題が難しすぎるという指摘もあります。
SLTAはどのカテゴリーの失語症に分類されるのかを判別する役割も担っています。
そのため、提示された内容を全く遂行できない場合は、いったいどの分野の能力が低下しているのかという点が見えにくくなってしまいます。
このあたりはそれぞれのバランスの調整が難しいですが、個人的には、この指摘にはある程度納得できます。
他にも、記憶力の重要性が高い内容であるため、失語症の判定がしにくいなどの指摘もあります。
おわりに
今回は「SLTA(標準失語症検査)」について説明させて頂きました。
失語症自体の定義や症状の範囲が広いため、その検査や判別が難しいところもありますが、障害改善・克服のために精度が向上してほしいなぁと思います。
判別の精度が上がればリハビリなどの対策も立てやすいですからね。
最後までお読みいただきありがとうございました!
今後ともよろしくお願いします。