老人福祉における基本理念は、老人福祉法第2条および第3条に示される
ように、老人に対する敬愛と、生きがいを持てる健全で安らかな生活の保
障、さらに老人の自助努力による心身の健康の保持、希望と能力に応じた
就業および社会参加の機会の確保をすることにある。広義には、高齢者の
心身の健康を保持し、生活の安定を図り、さらに社会参加を促進するため
の保健、医療、所得保障、雇用、住宅等の制度および施策を総称していう。
狭義には、老人福祉法にもとづく諸施策、およびその趣旨にもとづく公私の
活動をいう。近年わが国では、人口の高齢化が世界に類を見ないスピード
で上昇し、高齢化率14%以上の高齢社会から、数年後21%以上の超高齢
化社会の域に達する見込みであり、サービス受給者は増加の一途をたどっ
ている。