一般に皮膚温度が上昇する発熱時などには発汗するが、皮膚温はむしろ
冷たいにもかかわらず湿潤になる場合を冷汗という。各種のショックの場
合に特徴的であるが、低血糖発作の場合にもみられる。また、通常の精
神性発汗と同様なメカニズムで起こるが、冷汗の場合には、皮膚の血管
の収縮や鳥肌など、寒いときに起きる反応と一緒に起こることが特徴であ
る。冷汗自体は、生理的なもので異常ではないが、冷汗についても脂汗と
似たような症状が出ることもあり、その場合には注意が必要。
「低血糖発作 ・・・ 血糖値が50mg/dlを下回ると、大脳のエネルギー代
謝が維持できなくなり、精神症状をおこしはじめ、さらには意識消失を引き
起こし、重篤な場合は死に至る。しかし人体には、低血糖に対して数段階
の回避システムが血糖値50mg/dLにいたるのを防いでいるため、通常は
低血糖症になっても意識に異常をきたすには至らない。そのかわりとして、
アドレナリンが大量放出されることに伴い、交換神経刺激症状があらわれ
る。これが低血糖発作となる」