疾患の病原が明らかになり、診断法、特異的な治療法、予防法が確立
したことにより成立した。対象としては従来単一病因である感染症が主
であったが、最近は多病因の生活習慣病が問題となっている。疾病の
原因を除去する等の働きかけを行い、疾病の発生を未然に防ぐことを
目的とする医学を指す。治療医学と対立的に用いられる。生活習慣が
発症と深く関与している病因として、喫煙と肺がんや肺気腫、動物性脂
肪の過剰摂取と大腸がん、食塩の過剰摂取と脳卒中、アルコール摂取
量と肝硬変、肥満と糖尿病などがあげられる。医療には大きく分けて治
療医学と予防医学があり、近年では特にこのように、病気を未然に防い
でいくという立場の予防医学がクローズアップされている。