今回は「一部調査(標本調査)と全数調査の違い」について説明します!
そもそも一部調査と全数調査ってどういう意味?
「一部調査」と「全数調査」とは、どちらも統計を調査する際に用いられる方法です。
たとえば、日本の介護施設を利用している人の年齢や性別、身長や体重などを把握し、その平均値や中央値、分布を調べたいときに実施されます。
全数調査
全数調査は調査対象範囲の調査単位をすべて調査する方法です。
先述した例でいえば、「日本の介護施設を利用している人全員を対象として調べる」ことです。
一部調査
一部調査は調査対象範囲の一部分の調査単位を調査して、その調査結果から全体を推測しようとする方法です。「標本調査」「部分調査」と呼ばれることもあります。
先述した例でいえば、「日本の介護施設を利用している人の中で、それぞれの施設からランダムに4人を抽出してその情報を調査する」ことです。
一部調査と全数調査のメリットやデメリットは?
一部調査と全数調査にはそれぞれ特徴がありますが、具体的にはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか?
全数調査のメリット・デメリット
まず、全数調査を行うメリットとしては、「正確な統計結果が得られる」ことが挙げられます。(全数調査を実施する最大の理由は正確な統計情報を得るためだといっても過言ではありません。)
全数調査を行うデメリットとしては、「調査対象が多ければ多いほど調査する人員や経費、時間などが必要になり、莫大なコストがかかる」ことです。正確な統計を得るためにはその分さまざまな手間が必要になるということですね。
一部調査のメリット・デメリット
一部調査を行うメリットとしては、「全数調査を行う場合と比較して調査人員や経費、日程などの負担が少なくて済む」ことが挙げられます。そのため、全数調査よりもスピーディーに統計情報を得ることができます。
一方、全数調査に比べて正確性が低くなってしまうことがデメリットです。調査すべき対象の中からランダムに抜き出した情報のまとまりによっては偏りがあったり、再度ランダムに実施した際に結果に差ができてしまうことが問題です。(標本誤差と呼ばれています。)
一部調査と全数調査のどちらを実施するべきか
一部調査と全数調査のどちらを実施すべきかという問題ですが、可能な限り全数調査を実施すべきでしょう。統計情報の正確性は高ければ高いほど価値がありますからね。
そのため、まず全数調査を実施できるかを考え、あまりにもコストがかかるような場合に一部調査を選択するのが理想的だと感じます。
おわりに
今回は「一部調査(標本調査)と全数調査の違い」について説明しました。
それぞれのメリットを考えたうえで、適切に選択することが大切ですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします!