脳塞栓は、前駆症状もなく、急激に発作が進展し、出血性梗塞に移行す
ると意識障害が増し、予後も良くない。空気・脂肪・腫瘍細胞による塞栓
はまれである。成因となる疾患は主にリウマチ性心臓弁膜症、心房細動、
壁在血栓を有する心筋梗塞、心内膜炎等である。心臓内の血栓、大動脈
弓や頸部動脈の壁在血栓等が栓子となって脳血管の閉塞を生じ、脳梗
塞を起こす。脳内の血管以外でできた血の塊(血栓)が脳の血管につま
ることにより起こり、大部分は心臓に何らかの原因があるため(不整脈や
弁膜症、心臓手術後)、心原性脳塞栓症と呼ばれることもある。