病理学的には良性のものも多いが、生体において重要な機能を営む脳の
内部にできる腫瘍であるため、臨床的にはいずれも悪性とされる。頭蓋腔
内の真性腫瘍のみならず、脳・脳膜・血管・神経から発生するすべての新生
物。頭蓋骨疾患で内部に向かって発育するものも含める。脳腫瘍は通常何
らかの症状が出現したときには、すでに腫瘍はある程度の大きさに成長して
いるため、脳浮腫を引き起こしている場合がほとんどであり、頭蓋内圧亢進
症状(とうがいないあつこうしんしょうじょう)すなわち、頭痛、悪心、嘔吐等を
起こすとともに、発生部位によっては局所症状として視野欠損や難聴、運動
麻痺、言語障害などを伴うことがある。